なんとか探偵会社の相談員のおすすめを振り切り、ようやく電話もかかってこなくなりました。
あれって、上手いこと言うんです。
「わたしはあなたのお話しを聞いて、個人的に心配になって電話をしているのよ。」
これって、会社から言われて電話をしているんじゃない、とアピールしているだけのように感じてしまいます。
個人的な電話なら、ちょっとひどいことでも言って、二度と電話がかからないようにしようかとも思いましたが、相手はどんなところかわからない探偵会社の社員さん。
このときは、探偵さんがどんなものかなんてわかりませんでしたから、余計に変な恐怖感みたいなものもあったんですよね。
今は、ちゃんとしたところを選んで、しっかり調査してもらえれば、身内より頼りになる存在だ、と思っているんですけど、付き合いのないときは、つかみどころのないような存在だったんです。
探偵に依頼するという希望が断たれてしまっては、自分で見るしかありません。
相談員とのやりとりに気持ちの大半をとられていたため、旦那のことがおごそかになっていました。
いつも、手帳に帰宅時間をメモしたり、ときどきメールを入れて返信の仕方をチェックしたりしていたのに、そんなこと、頭からすっかりなくなってしまっていたみたいだ。
いけない、いけない。
気を取り直して、旦那の観察に気合をいれようと思っていたら、旦那から、
「最近、なにかあったの?」
なんて、聞かれる始末。
そんなにわたしの態度が変わってしまっていたんだ。
わたしは、適当に、実家のことでちょっと悩んでたんだけど、大したことなくて、今は解決した、と返答したら、旦那も納得してくれたようだった。
人って、なにかに夢中になると、いつもと違う態度になっていても気が付かないものなんだな、と実感した。
この変化を見逃してはいけない。
わたしはこまめな旦チェックを再開した。
ところが、しばらくたっても、ちょっとおかしいという態度や状況があっても、決定的な証拠につながるものや、怪しいところは特に出てこなかったのです。
もう、飲み歩くのにも、浮気するのにも飽きてきたのかな?
そう、思ってしまうくらい、今までの状況とは違っていたのです。 |